78年前と同じ会場での電動復刻
フランスの自動車メーカー、シトロエンが名車「2CV(ドゥーシーボー)」を電気自動車として復活させます。
発表の舞台は10月11日のパリモーターショー。
1948年に初代2CVがデビューしたのも、まさに同じパリモーターショーでした。
実に78年ぶりに、同じ会場で同じ名前のクルマがもう一度ベールを脱ぐことになります。
この巡り合わせ自体が、海外メディアでも大きな話題になっています。
驚きの価格設定とプラットフォーム
今回の2CVがとくに注目されているのは、その価格です。
想定されているのは1万5,000ユーロ未満、日本円にすると250万円台前半からという水準です。
コストを抑えるために採用されたのが、Stellantisグループの低価格EV向け基盤「スマートカー・プラットフォーム」です。
軽量な設計と実用的な室内空間を重視し、日常使いのしやすさを前面に押し出した作りになっています。
量産開始は2028年の予定で、2CVとしては36年ぶりの市場復帰になります。
パリでの発表はあくまでプロトタイプ段階の披露ですが、デザインの方向性やコンセプトはすでに固まっているようです。

なぜ”安いEV”が求められているのか
ここ数年、電気自動車は年々高機能化し、それにつれて価格も右肩上がりになってきました。
シトロエンの開発陣は、そうした流れに対する一つの答えとして、あえて軽量・シンプルな設計へ立ち返る道を選んだようです。
必要な機能を絞り込み、車体をコンパクトにまとめることで、充電にかかるコストや航続距離の確保のハードルも下げられます。
日常の移動に使い切れる分だけの性能を積む、という考え方が根底にあると見られます。
編集部コメント:名車の名前を”借りる”のではなく”引き継ぐ”
名車の名前を復刻モデルに使う企画は、自動車業界ではこれまでも繰り返されてきました。
ただ今回のケースが面白いのは、単にノスタルジーを売りにするのではなく、「安くて身軽なクルマ」という初代2CVが持っていた本来のコンセプトを、EVという現代の技術で素直に引き継ごうとしている点です。
名前だけを借りて中身は別物、という復刻にしばしば感じるちぐはぐさが、この2CVにはあまりなさそうです。
日本でも軽自動車文化があるだけに、「安くて気軽なクルマ」という方向性には共感を覚える読者も多いのではないでしょうか。
初代2CVが持っていた本来の役割
初代2CVは、第二次世界大戦後のフランスで「農家が卵を割らずに畑を走れるクルマ」という条件のもとに開発された、徹底して実用性を重視したモデルでした。
見た目のシンプルさの裏には、壊れにくく、修理しやすく、誰でも維持できるという考え方が貫かれていました。
その後、2CVは半世紀近くにわたって生産され、フランスを代表する国民車としての地位を築きました。
生産終了から36年が経った今、同じ名前を冠したモデルがEVとして戻ってくるというのは、単なる懐古趣味というより、「安くて壊れにくい移動手段」という原点への回帰だと捉えることもできそうです。
他の小型EVと比べた時の立ち位置
欧州の小型EV市場では、すでにいくつかの低価格モデルが登場しています。
ただ、多くはそれでも2万ユーロ台に収まる価格帯が中心で、1万5,000ユーロを切る水準を目指す今回の2CVは、その中でもかなり思い切った価格設定といえます。
価格を抑えるためには、バッテリー容量や装備を絞り込む必要が出てきます。
航続距離や快適装備が、同価格帯の他モデルと比べてどの程度になるのかは、今後のプロトタイプ公開や量産モデルの発表で詳しく分かってくる部分です。
パリモーターショーでの発表内容に、まずは注目が集まります。
量産までのスケジュール感
2028年の量産開始までには、まだ2年ほどの時間があります。
この間に、デザインの最終調整や、各国の安全基準・環境基準への対応、そして生産ラインの整備が進められていくことになります。
Stellantisグループは、これまでも複数のブランドで低価格EVの基盤を共有する戦略を取ってきました。
2CVがそのスマートカー・プラットフォームの中でどのような役割を担うのか、他の姉妹モデルとの位置づけも含めて、今後の発表が待たれます。
パリモーターショーという発表の場の重み
パリモーターショーは欧州でも歴史の長い自動車イベントの一つで、フランス国内ブランドにとっては地元開催という特別な意味合いを持つ舞台です。
シトロエンがこの場所をあえて選んだのも、2CVという自社を象徴するモデルの復刻にふさわしい舞台を用意したいという意図があったと考えられます。
同じ会場での78年ぶりの再登場というストーリーは、単なる広報的な演出にとどまらず、ブランドの歴史そのものを体現する出来事として、多くの自動車ファンの関心を集めそうです。
日本の読者にとっての意味
日本には導入予定が明らかになっていない段階ですが、欧州の小型車・軽量EV市場の動きとして注目しておく価値があります。
国内でも軽EVの選択肢が増えつつある中、「機能を絞って価格を下げる」という設計思想は、今後の国産車にも影響してくるかもしれません。
フランスの自動車ファンにとって2CVは特別な存在ですが、その復刻がEVという形で実現すること自体、クラシックカー好きの読者にも刺さる話題になりそうです。
10月11日のパリでの発表、そして2028年の量産開始に向けた動きを、引き続き追っていきたいところです。
デザインに込められた”引き算”の考え方
近年の自動車デザインは、大画面のディスプレイや複雑な曲面を使った造形が主流になりつつあります。
そうしたなかで2CVの復刻モデルは、あえて装飾を削ぎ落とし、初代のシンプルな佇まいを思わせるデザインを志向していると見られています。
機能を絞り込むという考え方は、見た目のデザインだけでなく、内外装の仕上げ方にも表れてくるはずです。
贅沢な質感を追い求めるのではなく、必要な耐久性と使いやすさを両立させる方向性が、価格を抑えるうえでも理にかなっています。
パリでの発表で、どこまでそうした”引き算”のデザインが形になっているのかが注目されます。
街乗りEVとしての現実的な使われ方
1万5,000ユーロ未満という価格帯のEVは、長距離移動や高速道路での使用よりも、都市部での短距離移動を主な用途として想定されていることが多いです。
買い物や通勤、近距離の送り迎えといった、日常の中の移動に使い切れるだけの性能を積むという考え方です。
フランスをはじめとする欧州の都市では、こうした小型EVが駐車スペースの限られた旧市街でも扱いやすい移動手段として重宝されています。
2CVの復刻モデルも、同様の使われ方を前提に設計が進められていると考えられます。
参照元:Carscoops「Citroen Is Reviving The Iconic 2CV As An Affordable EV」
https://www.carscoops.com/2026/10/citroen-2cv-teasers/




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