次期BMW M3、ガソリン版の迷彩ほぼ解除 電動版と2028年に併売へ

ドライブ 車

ニュルブルクリンクで目撃された「素顔」

BMWの看板スポーツセダン、次期M3の開発車両がドイツ・ニュルブルクリンク近くのテストコースで目撃されました。

これまで全身を覆っていた偽装のラッピングが大きく剥がれ、量産型に近いヘッドライトとバンパーの形状がはっきりと確認できる状態だったといいます。

海外自動車メディアCarscoopsは2026年9月17日、このスパイショットを報じました。

目撃されたのは直列6気筒エンジンを積む「ガソリン仕様」のM3で、開発コードは「G84」。

BMWのR&D拠点に近いこのコースで撮影されたことからも、量産化に向けた最終段階のテストに入っていることがうかがえます。

ベース車から流用されたライト

今回のスパイショットで特に注目されたのが、灯火類のデザインです。

報道によると、新型M3に使われているLEDのパーツは、電気自動車である「i3」セダンから流用されたものとみられています。

BMWの新世代デザイン言語「Neue Klasse」を、ガソリンモデルにもそのまま展開していく方針がうかがえる部分です。

エンジン自体は、現行モデルにも搭載されているS58型・直列6気筒ツインターボがベースになる見込みですが、マイルドハイブリッドのアシストが加わる可能性が高いとされています。

純粋な内燃機関だけで終わらせず、電動化技術を段階的に取り入れていく姿勢がここにも表れています。

ニュルブルクリンクの山道を走る、偽装がはがれかけたスポーツセダンのシルエット

「Neue Klasse」というデザインの合言葉

今回のスパイショットで話題になった「i3のライトを流用」という情報は、単なる部品の使い回しという以上の意味を持っています。

BMWは近年、電気自動車から先行して展開してきた新世代デザイン言語「Neue Klasse」を、今後はガソリンモデルにも順次広げていく方針を明らかにしてきました。

次期M3にこの意匠が採用されるということは、ガソリン車と電気自動車の見た目の境界線を、あえて曖昧にしていくという、BMW全体のブランド戦略の一部として捉えることができます。

パワートレインが違っても、ブランドとしての一貫したデザイン哲学を保ちたいという意図が透けて見える部分です。

マイルドハイブリッド化がもたらす変化

ベースになるとみられるS58型エンジンは、現行のM3・M4シリーズにも搭載されている実績のある直列6気筒ツインターボです。

次期モデルではここに、電動アシストを加える「マイルドハイブリッド」システムが組み合わされる可能性が指摘されています。

マイルドハイブリッドは、駆動そのものをモーターだけで担う本格的なハイブリッドとは異なり、発進や加速時の瞬発力を電動モーターが補助する仕組みです。

燃費の改善だけでなく、ターボの過給が効き始めるまでのわずかなタイムラグを埋める効果も期待でき、スポーツ走行時のレスポンス向上にもつながるとみられています。

エンジンそのものの官能性を保ちながら、環境規制の強化にも対応していくための、いわば折衷案といえる技術です。

電動版M3も同時進行でテスト中

ガソリン版と並行して、BMWは完全電動のM3も開発を進めています。

こちらも同じくニュルブルクリンクで9月18日、9月24日と相次いでスパイ映像が撮影されており、4基のモーターを組み合わせることで800馬力を超える出力になると見込まれています。

電動版のテスト車両は、コーナーの立ち上がりで盛大にタイヤを滑らせながら走る様子が捉えられており、電動化してもM3らしいドリフト性能を失わない仕上がりを目指していることがうかがえます。

電動版は2027年、ガソリン版は2028年の投入が見込まれており、プラットフォームもそれぞれ異なるとされています。

ガソリンと電動、あえての「二刀流」

近年、多くの自動車メーカーが看板スポーツモデルの電動化を急ぐ中、BMWはガソリン版と電動版を同時に併売するという、やや異例の戦略を取ろうとしています。

Carscoopsの記事タイトルも「M3は電動化するが、すべてのM3がそうなるわけではない」という趣旨で、この二本立て戦略をそのまま表しています。

内燃機関ならではの官能的なサウンドやフィーリングを求めるファンと、圧倒的な加速力とモーター特有の即応性を求めるファン、両方の需要を1つのブランド内で取りこぼさない狙いがあるとみられます。

編集部コメント:スポーツカー市場の過渡期を象徴する動き

M3のような伝統あるスポーツモデルが電動化の波にどう向き合うかは、自動車ファンにとって非常に関心の高いテーマです。

今回のように、ガソリンと電動を切り分けて同時展開するアプローチは、性能面での選択肢を残しつつ、環境規制への対応も進めるという、いわば「過渡期ならでは」の現実的な解と言えるでしょう。

日本ではまだ電動スポーツセダンの選択肢自体が限られていますが、BMWのような大手が二本立て戦略を採ることで、他メーカーの動向にも影響を与える可能性があります。

次期M3がどちらの仕様で日本に導入されるのか、今後の続報にも注目したいところです。

スポーツセダン市場全体に広がる「二刀流」の流れ

BMW以外の高性能ブランドを見渡しても、電動化とガソリンの共存という課題への向き合い方は各社さまざまです。

あるブランドは看板モデルを丸ごと電動へ切り替える一方で、別のブランドは電動版を新たなラインとして追加し、既存のガソリンモデルとしばらく並走させるという判断をしています。

BMWが今回のM3で選んだのは後者に近い道筋です。

市場からの評価がまだ定まりきっていない電動スポーツセダンというジャンルにおいて、実績のあるガソリンエンジンモデルを併売することで、ブランド全体としてのリスクを分散させる狙いもあると考えられます。

性能で選ぶ層と、これまでのM3らしさを求める層の双方を取りこぼさないという判断は、過渡期のスポーツカー市場における一つの解として、今後他メーカーの戦略を占ううえでも参考になりそうです。

日本での展開はどうなるか

現行のM3・M4シリーズは、日本国内でも根強い人気を誇るモデルです。

BMW正規ディーラーを通じて販売台数を確保しており、走りにこだわるファンからの支持も厚いことで知られています。

次期モデルがガソリン版・電動版の二本立てで登場するとなれば、日本市場でもどちらか一方、あるいは両方が導入される可能性が考えられます。

日本は諸外国と比べて電気自動車の普及率がまだ緩やかなペースにとどまっていることもあり、ガソリン版への根強い需要は引き続き見込まれます。

一方で、都市部を中心に充電インフラの整備も進みつつあり、電動スポーツセダンという新しい選択肢への関心も少しずつ高まっている状況です。

どちらの仕様が先に、あるいはどのような価格帯で日本に導入されるのか、正式発表のタイミングとあわせて注目したいところです。

まとめ:市販化はまだ数年先だが動向は要チェック

今回のスパイショットはあくまで開発段階の車両であり、正式な発表や市販化にはまだ数年を要する見込みです。

それでも、迷彩がここまで剥がれた状態で目撃されたことは、開発が最終段階に入りつつあることの証といえます。

ガソリン版・電動版のどちらも、2027年から2028年にかけて登場が予想されているだけに、今後もテスト車両の目撃情報や正式発表のタイミングを継続してチェックしていく価値がありそうです。

参照元:(Carscoops・The BMW M3 Is Going Electric, But Not Every M3)
https://www.carscoops.com/2026/09/the-bmw-m3-is-going-electric-but-not-every-m3/

コメント

タイトルとURLをコピーしました