ベンチメイドの名作『グリップティリアン』が新鋼材Z-Wearで復活、Blade HQ限定の3色モデル

ギア

6年以上ぶりの「本気の刷新」

ポケットナイフ好きなら、一度は名前を聞いたことがあるはずです。

米国のナイフメーカー、ベンチメイドの定番モデル「グリップティリアン」が、久しぶりに大きく生まれ変わりました。

今回の新モデルは、米国の大手ナイフ販売店Blade HQとの共同企画による限定品です。

告知もほとんどないまま、突然の発売だったといいます。

ギア専門メディアのGear Patrolは、この知らせを「夢のようなスーパースチールでの復活」と紹介しました。

グリップティリアンの大きな更新は2019年以来で、本格的な新作としては5年以上ぶりになるそうです。

グリップティリアンが「名作」と呼ばれる理由

グリップティリアンは、ベンチメイドの中でも特に長く愛されてきたモデルです。

Gear Patrolは「これまでに作られたポケットナイフの中で、最も重要なモデルのひとつ」とまで書いています。

その理由のひとつが、AXISロックという刃を固定する仕組みです。

この機構は、もともと「710」というモデルで初めて採用されました。

それを広く世に知らしめたのが、グリップティリアンだったといわれています。

AXISロックは、ハンドルを横切る小さなバーで刃を固定する仕組みです。

右手でも左手でも同じように操作できるので、利き手を選びません。

片手でスッと刃をたためる手軽さも、長く支持されてきたポイントですね。

さらに、手頃な価格で頑丈なつくりも魅力でした。

初めての1本として選ぶ人も多く、「EDC(毎日持ち歩く道具)の入門機」としての立ち位置を築いてきました。

新モデルで変わった3つのポイント

今回の限定モデルで変わった点は、大きく3つあります。

  • 刃の鋼材を「Z-Wear」に変更
  • 刃の形を、幅広のシープスフット型に変更
  • 刃を開くための大きなサムホールを追加

いちばんの目玉は鋼材です。

Z-Wearは、ナイフ好きの間で評価の高い「Cru-Wear」とほぼ同じ性質を持つ鋼材とされています。

特徴は、粘り強さと、ハードな使い方に耐える耐久性です。

刃の形は、正確にはシープスフット型(羊の足のような、先端が丸く落ちる形)に分類されます。

ただ、幅が広く、先端近くで逆タントーのように角度が切り替わる独特の輪郭になっています。

刃にはカラーのコーティングが施され、さびにくさにも配慮されているそうです。

木の作業台の上に並べられた折りたたみナイフと砥石を真上から撮影した様子

従来モデルとの比較

これまでのグリップティリアンと、今回の限定モデルを比べてみました。

項目 従来モデル 今回の限定モデル
刃の鋼材 154CM・S30Vなど Z-Wear
最後の大きな更新 2019年 2026年(今回)
ロック AXISロック AXISロック(継続)
ハンドル ポリマー 黒のポリマー(継続)

ハンドルまわりは、おなじみのデザインをそのまま受け継いでいます。

ダイヤ柄の滑り止め模様、丸みのある握りやすい形、親指が当たる部分の細かな刻みも健在です。

付け替えができるポケットクリップや、ストラップ用の穴もそのまま残っています。

つまり今回の刷新は、使い慣れた「器」はそのままに、中身の刃を一段上げたものといえます。

鋼材が変わると何が変わるのか

ナイフの鋼材と聞いても、ピンとこない人もいるかもしれません。

でも、刃の鋼材は、ナイフの使い心地を大きく左右する部分です。

鋼材によって変わるのは、主に次のような性質です。

  • 切れ味がどれだけ長く続くか
  • 強い力がかかった時に、欠けたり折れたりしにくいか
  • さびにくいか
  • 研ぎ直しやすいか

これらは、どれか1つを伸ばすと、別のどれかが弱くなりやすい関係にあります。

たとえば、とても硬くて切れ味が長持ちする鋼材は、そのぶん欠けやすくなることがあります。

今回のZ-Wearは、その中でも「粘り強さ」と「耐久性」に強みを持つタイプとされています。

段ボールを開ける、ロープを切る、木を削るといった、少し乱暴な日常使いにも向いているわけです。

毎日あれこれ切る道具としては、心強い選択といえるでしょう。

一方で、粘りの強い鋼材の中には、ステンレスほどさびに強くないものもあります。

今回のモデルが刃にコーティングを施しているのは、そうした弱点を補う意味もありそうです。

使ったあとは水分や汚れを拭き取っておくと、より長く良い状態を保てます。

価格と入手のしかた

カラーは刃の色違いで、ティール、グリーン、パープルの3種類です。

ハンドルはどれも黒で統一されています。

価格は、いずれも175ドルです。

Gear Patrolが記事を出した時点で、グリーンはすでに売り切れていました。

ティールとパープルは在庫がありましたが、限定品のため、いつまで残っているかは分かりません。

Blade HQでは、再入荷の通知を受け取れる仕組みも用意されています。

日本から購入する場合は、海外通販の送料や関税がかかります。

また、刃物は輸入の扱いが販売店ごとに異なるため、日本への発送に対応しているかを事前に確かめておくと安心です。

日本で持ち歩く時の注意点

ここで、日本の読者に向けて大事なことをお伝えしておきます。

日本では、正当な理由なくナイフを持ち歩くことは法律で禁じられています。

刃の長さにかかわらず、軽犯罪法などで処罰の対象になることがあります。

海外でいうEDCの感覚を、そのまま日本に持ち込むのは危険です。

キャンプや釣り、作業など、使う目的と場所がはっきりしている時に限って持ち出すようにしてください。

移動中は、すぐに取り出せないようケースに入れてバッグにしまっておくのが基本です。

編集部コメント:「定番の器に最新の刃」という選択

ナイフの世界では、新しい鋼材が次々と登場しています。

その中で、まったく新しいモデルを作るのではなく、定番のグリップティリアンを選んだのは興味深い判断です。

握り心地やロックの操作感は、ナイフにとって数字以上に大切な部分です。

そこを変えずに刃だけを強化したことで、昔からのファンも安心して手に取れます。

ティール、グリーン、パープルという色選びも、これまでの落ち着いた印象とは少し違います。

道具としての信頼感はそのままに、持つ楽しさも加えようという意図が感じられますね。

一方で、限定品であることは、手に入りにくさにもつながります。

今回の反響しだいで、通常のラインナップにもZ-Wear仕様が広がるのか。

ベンチメイドの次の一手にも注目しておきたいところです。

参照元:Gear Patrol「Benchmade’s Legendary Griptilian EDC Knife Gets the Super Steel Revival of Our Dreams」
https://www.gearpatrol.com/outdoors/benchmade-blade-hq-griptilian/

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