解雇する側される側、双方の傷が浅くすむ正しい解雇の仕方

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未定 詳細なし

上司として一番やりたくないことの一つに、「部下を解雇すること」が挙げられるのではないでしょうか。

理由が何であれ、首にする側は心苦しく、首にされる側も胸が痛み、ストレスになったり、裏切られた気持ちになったりするものです。

そんな解雇の際の互いの心苦しさや胸の痛みを、少しでも軽減できる方法があります。世の上司の皆さん、やむを得ず部下を解雇しなければならない時には、これらの方法を実践するよう心がけてください。

必ず事前の警告を行うこと

仕事上で何らかの不始末があったり、仕事場での態度に問題がある場合は、上司として必ず問題と思われる点を本人に説明し、観察期間を与える旨を伝えましょう。これがいわゆる警告になります。

警告を受けたことで改善が見られれば、上司も部下も心新たに仕事を継続することができ、時に警告して話し合ったことがきっかけとなり、部下とより良い関係を築いていくことができることもあります。

また、警告と改善期間を与えることで、その期間内に部下が自主的に辞めるという決断をすることもできます。

ただし、解雇理由が暴力やセクハラなどの場合は、もちろんその限りではありません。さらに、会社の経済的理由による解雇も警告なしに行うことが理想とされています。事前に経済的理由により部下を1名解雇した場合、その話はまたたく間に他の従業員の間で広がり、会社がうまくいっていないことからくるストレス、自分も首になるのではといった恐怖心、必要以上の競争心が芽生えてしまい、会社内の秩序が乱れる結果となるからです。

必ず文書として残すこと

解雇する前に、該当する部下の違反行為やパフォーマンス面で問題となっている点などを文書として記し、残しておきましょう。

問題となっているやり取りが記載されているEメール、間違いが指摘されているプロジェクトの書類など、デジタルデータと紙ベースの書類はすべて保管しておきます。話し合いの場が持たれた場合でも、必ずその内容をまとめてEメールで送信しておきます。

部下を解雇することになったら、待たずに即刻行うこと

必要となる書類はすべて揃えられ、あとは解雇するのみ。ここまできたら、時間をおかずにすぐに行動しましょう。解雇するのは心が痛むことで、なかなか解雇できないという人もいるでしょう。私情を挟まず、あくまでビジネスと気持ちを切り替え、解雇と決まったら即刻本人との時間をつくって解雇を言い渡しましょう。

いざ解雇へ-最終確認を怠らずに

解雇する際には、気持ちの準備はもちろん、社内での様々な準備が必要です。

・社内データへのアクセス権限の解除

・社員が受けられる福利厚生などのメリットの解除

・事務所へアクセスできるアクセスカード(セキュリティカード)などの解除

・会社の所有物(コンピューター、携帯電話など)の返却

・本人と交わした秘密保持契約の確認

セキュリティを万全の状態にしておくこと

今の世の中、会社にとって誰が脅威となるかは分かりません。解雇通知を受けた部下が、上司であるあなたや他の従業員が危険と感じるような言動をとる可能性もなきにしもあらずです。事前に会社のセキュリティチームにスタンバイしておくよう伝えておいても良いでしょう。

少なくとも2人体制で解雇を行うこと

上司であるあなたと、できればもう一人、例えば人事課のマネジャーと一緒に、解雇する部下に解雇の通達を行いましょう。万が一のケースを想定して、また、話の内容の確認の意味でも、第3者がその場にいることが理想です。

解雇は、短い時間内で単刀直入に

目的は相手を解雇するということであり、最後のチャットをだらだらと行う場ではありません。解雇する旨を伝えたら、説明は手短かに。解雇する部下に、話をする余裕を与えてしまうと私情が入り込む可能性があるので、「会話」は極力避けましょう。

「今日付けで解雇とさせてもらいます。最後の給与振り込みは○月○日です。何か質問はありますか?」

最後に冷たい響きだと思われそうですが、解雇する場では、自分にも相手にも後々大きなわだかまりが残らないように、このくらいがちょうど良いのです。

感情を一切出さないこと

人間ですから、自分の部下を解雇するうえで悪い気分にならない人などいないはずです。でも、申し訳ないという態度で解雇の場に挑んでしまうと、何とか謝罪して説明をすれば会社に残れるのではないかと部下が思ってしまうということにもなりかねません。

最後まで部下に対して丁重であること

解雇理由が部下による不始末だったとしても、部下に対する態度は紳士的であるべきです。部下にとって解雇されることは恥ずかしく、屈辱的であるはず。恥の上塗りをする必要はありません。例え、解雇される部下があなたのことを罵ろうとも、冷静に対処しましょう。

月曜日と金曜日に解雇するのが良い理由<h/3>

もちろん、解雇すると決めたらすぐに行動に移すべきですが、1週間のうち解雇するのに適した日はいつかと問うなら、月曜日か金曜日ということになるでしょう。

月曜日に解雇することで、部下はすぐに次の行動(次の仕事を探したり、履歴書の準備をしたり)を起こすことができます。

金曜日に解雇すれば、部下は週末を利用して家族や友人の助けのもとじっくり現実と向かい合うことができます。また、金曜日であれば、社内の他の従業員に与える影響も少なくすむでしょう。

では解雇するのに適した時間帯は?

1日の終わりが最も適した時間帯です。他の従業員も去り、解雇された部下は周りの目を気にせず自分のペースで身の回りの片づけなどを進めることができます。また、解雇された部下が感情的になったり、攻撃的な態度をとった場合にも、1日の終わりであれば他の従業員に危害が加えられる可能性も低くなります。

上司である自分が乗り気でなくても、会社のため、他の従業員のため、そして解雇される本人のためにも解雇を通達しなければならないこともあります。解雇する側と解雇される側が互いに恨み合うことなく、なるべく気分を害さず最終日を迎えるうえで、「上司は最後まで上司でいること」、というのが大きなポイントではないでしょうか。

参照元:The Art of Manliness

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