遅刻常習者の心理学 なぜ我々は「間に合わない」のか

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未定 詳細なし

筆者の仕事仲間にA氏という男性がいる。A氏は有名な遅刻魔で、仕事からプライベートまで人との待ち合わせ時間に必ずと言っていいほど遅刻する。遅れる時間はその時々だが平均すると約30分くらいだろうか。

何度か注意したこともあるのだが、本人も「マズイ、マズイ」とは感じつつ何故かいつも遅れてしまうそうだ。

また、A氏は仕事でも納期や締め切りを守らないことで顧客と度々トラブルを起こしている。もちろん私もその被害者の一人だ。一体何故、A氏は時間を守れないのだろうか。

人間は必要な時間を甘く見積もる

ウィルフリッド・ローリエ大学の心理学教授ロジャー・ビューラー氏によると、人間はあるタスクの完遂時間に対して平均40%もの過小評価を下す。

これは知人にメールを送るという簡単な作業から、確定申告に必要な書類を全て準備するという非常に面倒くさい作業まで全て同じ傾向が見られるという。

ニューヨーク大学スターン経営大学院のジャスティン・クルーガー博士の実験でも、タスクをアンパック、つまり細分化すればするほど、それに掛かる時間を人は長く見積もるようになることが分かっている。

これは楽観的で大雑把な人ほど時間に遅れやすいということを裏付ける実験結果であり、前述した「人間はタスクの完遂時間を40%も甘く見積もる」ことの大きな原因を示唆している。

我々の持つこのような問題は、計画錯誤(プランニング・ファラシー)と呼ばれる。このプランニング・ファラシーは人間の心理学上、最も変えるのが難しい行動パターンの一つなのだ。

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プランニング・ファラシーを防ぐためには

専門家によればプランニング・ファラシーによる遅刻や仕事の遅れを防ぐためには時間感覚を正常に戻す必要があり、そのためには時間管理問題療法が有効だという。

例えば週間カレンダーを30分刻み、つまり336の升目に分けてスケジュールをチェックすることにより、今何をしなければならないのか、作業がどのくらい遅れているのかを視覚的に理解できるようになる。

また、私生活から時間的に不確定要素の大きいタスクを取り除いたり、そのようなタスクだけを集めた日を作り、それらは同時並行的に進めるという方法も効果的だという。例えば友人や恋人と過ごす時間は流動的になりやすい。楽しいイベントほど時間を忘れてしまいがちだ。

このような計画は仕事がある日には一切入れないようにし、一日の中でも時間的に区切りのある作業は午前中に。区切りの無い作業を午後に回すなどすればスケジュールに遅れが生じる可能性は随分と減るだろう。

先日、依頼していた仕事の件でA氏から呼び出された際、彼は自らの遅刻癖を治すため、スマホにスケジュール管理用の新しいアプリをインストールしたと嬉しそうに話してくれた。

彼の満足そうな表情はとても眩しかったが、次いで口から飛び出した「納期を延ばして欲しい」とのお願いに、私は思わず天を仰いだ。

参照元:The Wall Street Journal

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