小さな巨人「シャオミ」はスマホ界の勢力図を描き変えるか

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未定 詳細なし

12億5000万台。これは昨年の全世界におけるスマートフォンの出荷台数だ。近年スマホ市場は毎年二桁%台の成長を記録しているが、特に新興国市場での伸びは凄まじいものがある。米調査会社IDCの調査でも、しばらくこの勢いが衰えることは無さそうだという。

未知の巨人 シャオミ

スマホ市場でのシェアトップ争いはご存知の通りサムスンとAppleという双璧によって成されている。だがここへきてこの二つの壁を乗り越えんとする新たな巨人が現れたのだ。

巨人の名はXiaomi(シャオミ)。ファーウェイやレノボといったシェア第三位争いを繰り広げる他の面々と同じく、中国に本拠地を置く企業だ。2014年第3四半期の全世界シェアは5.2%で前年同月比336%成長というとんでもない数値を叩き出している。

最大の特徴はコストパフォーマンスの高さ

シャオミが去年発売したMi4は同社の企業戦略を表現する象徴的な製品だ。Mi4のお値段は日本円で約3万5,000円。この値段だけ聞けばさして驚くようなものでは決してない。

一方マシンスペックは

画面:5インチ 1,920×1,080ピクセル(Full HD)
CPU:2.5GHzクアッドコア
RAM:3GB
カメラ:1,300万画素
バッテリー:3,080mAh

等となっており、ヘビーユーザーでもそこそこ満足できる物に仕上がってはいるが、これとて並み居るライバルを蹴散らすほど斬新なものではない。

しかし、Mi4が驚異的なのはこの値段とスペックを両方同時に実現させている点なのだ。コストパフォーマンスという観点から見れば、Mi4は他社の機種に対し圧倒的なアドバンテージがあると言える。

gigamen_Xiaomi_Mi4_01

脱中国には不安 求められる「次なる一手」

我々日本人にとってシャオミという企業名はあまり馴染みがない。ご紹介したMi4という機種についても全く聞いたことがないという人がほとんどだろう。

それもそのはずで、シャオミ製スマホの販路はほぼ中国国内に限定されている。中国以外では主に東南アジアを中心に勢力を拡大しようとしているが、日本や韓国、アメリカ、欧州等いわゆる先進国・成熟国へ進出する具体的な計画は未だに無いようだ。

その大きな理由の一つにGoogleに対する法的な不安があると見られる。現在Googleのサービスは中国では運用されていない。そのため、中国にはGoogleから監視されていないAndroid用のアプリストアが複数運営されており、シャオミも自社製品用に独自ストアを用意しているのだ。

その一方でGoogleの元で開発されたアプリを利用したい場合には専用のインストーラーを使ってグーグルマップやYoutubeをインストールすることが可能。だが、このような体制は中国以外では通用するはずもなく、法的にグレーゾーン(というかほぼブラック)だと考えられている。

また、シャオミの製品は簡単に言ってしまえば様々な有名製品のいいとこ取りである。サムスンとAppleの泥沼の争いを見れば分かるとおり、中国内では可能なやり方であっても、国外に持ち出した途端GoogleやAppleにフルボッコにされ、尻の毛まで毟られるであろうことは目に見えているのだ。

脱中国を実現し、二つの壁を乗り越えるためには同時に脱Googleが必要となる。それはつまりGoogle並みのサービス開発能力を自前で用意しなければならないという意味だ。

中国のスティーブ・ジョブズとも称されるシャオミのレイ・ジュンCEO。彼の次なる一手に大きな関心が集まっている。

gigamen_Xiaomi_Mi4_02

参照元:Wired JP

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